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昔がなつかしいなぁ2026年3月23日

こんにちは。メディカルホーム苗間介護士 向後 修です。

今回は、I さんの 2眼レフの話です。カメラに興味があるIさん。

興味を持ち始めたのは18歳の時、胸に抱いたのは重厚な箱型の二眼レフだった。

上下に並んだレンズの片方から覗き、ピントを合わせるあの儀式。

世界は左右反転し、まるで魔法の箱を覗き込んでいるようだった。

現像液の匂いが染み付いた暗室で、印画紙の上に景色が浮かび上がる瞬間。

あのモノクロームの興奮は、今も忘れられない。

それからは、一眼レフを相棒に、私は風景を追いかけ続けた。早朝の冷気に震えながら、

雲が割れるその一瞬を待つ。ミラーが跳ね上がり、シャッターが切れる「カシャッ」という物理的な感触。

それは単なる機械音ではなく、自然の息遣いと私の鼓動が共鳴する証だった。

フィルムの残り枚数を気にしながら、確信を持ってシャッターを切る。

あの緊張感と高揚感は、代えがたい「写真」そのものだった。

そして今、時代はデジタルへと大きく舵を切った。正直に言えば、最初は抵抗があった。

センサーが捉える冷徹なほどの解像度や、撮り直しが効く利便性。

かつて暗室で神妙に祈るように待ったあの「偶然の産物」は、どこへ行ったのかと寂しく思ったものだ。

しかし、最近になって最新のミラーレス機を手に取った。驚いた。

ファインダー越しに、撮影後の明るさや色がそのまま見える。

ピントの山も、瞳への追従も、かつて私が手探りで苦労していたことを、

最新の技術が軽々と補ってくれる。

結論から言うと、これからの主流は、もはやデジカメなどという括りではなく、

「光を捉える賢いパートナー」へと進化している。

ミラーレスという機構は、かつての二眼レフがそうであったように、

また別の「撮る」という快感を私に教えてくれた。何より、

かつて私がフィルムに託した「光への執着」は、デジタルになっても何一つ変わらない。

便利になったからこそ、私たちはもっと「自分の見たままの感情」を撮れるようになったのかもしれないよ。

71歳。私の手の中にあるのは、進化を極めた最新の機械だけれど、そのレンズが捉える先には、

18歳の頃と変わらない、あの黄金色に輝く風景が広がっている。さあ、次はどこへ行こうか。

フィルムの時代には見えなかった、影の向こう側の景色まで、これからはもっと鮮やかに写し取れるはずだ。

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