こんにちは。富家病院臨床心理室 山本です。
この原稿を書いているのは掲載日の少し前ですが、
おそらく残暑が続いていることでしょう。。。あともうひと頑張りですね。
今日はものわすれ外来の患者さま、Aさんの素敵な作品のご紹介です。
先日診察でご来院された際に
「よかったら、これもらっていただけないですか?」といただいたのがこちらです。
千代紙で作られた色とりどりのお守り、とっても可愛らしいですよね。
よく見ると”開運” ”交通安全”などとそれぞれ違ったご利益があるようです。
Aさんのものわすれが目立ち始め、富家病院に来院された当初は、
悲観的になったり、ご家族にいら立ってしまうことがあるとのことでした。
そんなお父さんを心配した娘さん。
日々を楽しく過ごしてもらうにはどうすればいいか…と考えたのが
この創作活動だったそうです。
娘さんは子どもとかかわる仕事をされていて、
子どもたちのために花飾りや折り紙などを準備する作業があるそうで、
一部を家に持ち帰りお父さんに手伝ってもらったところ
想像以上に一生懸命取り組んでくれて、仕上がりもきれいだったそうです。
完成した作品を職場の子どもたちに見せたらとても喜んでくれたので、
Aさんに伝えたところ、より一層没頭して作業に取り組んでくれるようになり、
生活に張り合いがでて、普段の表情もとてもよくなったと伺いました。
ご本人に作品についてお話を伺ったところ、
「器用ではないので時々失敗してしまうこともあるんですよ。
僕みたいな人が間違えながらも作ったお守りは、
もともと上手な人が作るお守りよりご利益があるかもしれないと思って、
“もらった人にいいことがありますように”と考えながら作っています」とのこと。
Aさんがお守りに込めた思い、娘さんがお父さんを想う気持ち。
願いがたくさん込められたお守りはきっとご利益があるだろうと感じました。
お守りは職員で分け合ってあっという間に売り切れに!
診察した担当医の院長先生も感激して、いくつかポケットに入れて帰っていきました。笑
Aさん、素敵なプレゼントありがとうございます。いつまでもお元気でいてくださいね。