リハビリテーション・ケア合同研究大会 青森2006において、下記演題発表を行いました。
生きがい作りの為の『絵手紙』―デイケアのもう一つの役割―
高齢者に対するイメージ療法
生きがい作りの為の『絵手紙』―デイケアのもう一つの役割―
【はじめに】
当デイケアは病院併設型の施設である。平成16年9月に定員を40名に増員。利用者数の増加に伴いアクティビティーの要望も多彩になり、新しく以前より要望のあった絵手紙を継続的実施した。結果、予想以上の効果が現れた事をここに報告する。
【方法】
当デイケア利用者かつ制作意欲のあると思われる方対象に実施。画材は顔彩という日本画特有の顔料を使用し、原則として敢えて指導しない方針から全ての個性を尊重する流れを作った。制作中に(講評)をし合う場を持つことでお互いの個性を認め合う。
【症例・結果】
開催当初は受身であった利用者らが、モチーフを日常生活から見つけ持ち寄るようになってきた。同じ物を見つめ、共に描く活動より皆と分かち合う楽しみが生まれた。
心身の倦怠感からデイケアを休みがちであった利用者H氏の発言「絵手紙の時間は痛みを忘れることが出来る。以前よりデイケアに行くことが楽しみになった。」と言われ笑顔が多く見られるようになる。
利用者S氏は妻へ絵手紙を送った。CMの情報によると、妻は「生まれて初めて夫に貰った手紙、この朝顔の描かれた絵手紙です。」と嬉しそうに話してくれた。制作に生きがいを見出した利用者と共に家族も喜び、安心感が得られたのではないだろうか。
他の利用者も絵手紙で文通する事により親戚や友人らとの途絶えていた交流の復活が起きた。
このように、連続性のある楽しみと目的を持つ事によりリハビリ目的のみという気持ちが軽減したのではないだろうか。
【考察】
実際、身体機能が低下した上での日常に於いて自主的に選択・決定・実行するという場面が損なわれていくのが厳しい現状だろう。
そこで絵手紙の制作活動をすることにより心身の機能の維持を得られ、向上できた。今後、更に自己の尊厳の確立に貢献すると共に、人としての喜びを共有したい。
高齢者に対するイメージ療法
【はじめに】
慢性疾患に罹患している者は、継続的な身体的・精神的ストレスにより常に緊張状態にあると考えられる。当院では、リラクセーション感覚の獲得による心理的安定を目的とし、臨床心理士が主体となってリラクセーション技法の一つである誘導イメージ法を用いた集団心理療法を行っているので、前回の発表に引き続き、その効果について報告する。
【方法】
当院デイケア利用者54名(平均73.4歳、介護度平均2.1、HDS-R平均22.86点)を対象とし、週1回約50分間のセッションを行った。平均出席回数は4.3回であった。参加前後の客観的気分評価として、POMS短縮版を施行した。
【結果と考察】
参加前後のPOMS短縮版下位項目平均得点につきt検定で有意差を検討したところ、前回の結果同様6項目中5項目で有意な気分の改善を認めた。出席回数による比較では、有意差はみられなかった。
本結果より、参加者は期間に関わらずリラクセーション感覚を得られていることが示された。また内容分析より、参加期間が長い者ほどイメージが深まり、内省も進んでいくことが示唆された。更に、セッション以外の場所でもリラックスしやすくなるなど、イメージ療法における効果が日常生活にも般化されていることが伺われた。そしてより広範的な効果として、集団で行うことで社会性が回復し、自分自身だけでなく次第に周囲への存在へと意識が拡がっていく傾向が示された。
医療法人社団富家会 富家病院
〒356-0051埼玉県ふじみ野市亀久保2197
TEL 049-264-8811(代表)
FAX 049-266-2287
Copyright(c) FUKE Hospital All Rights Reserved.
メールはこちらまで